宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

糖尿病の治療や予防は、最近どのように進歩しているのですか?

A.

ここ数年で、糖尿病の治療や予防の考え方は大きく進歩しています。
まず注目されるのが「個別化医療」です。糖尿病といっても、発症の原因や進み方は人によって異なります。生活習慣や生活環境、遺伝や腸内環境などの違いを考慮し、患者一人ひとりに合った治療を選ぶ「オーダーメイド医療」が広がっています。
また、薬の進化もめざましいものがあります。たとえば、これまで注射でしか使えなかったGLP-1受容体作動薬(血糖値を下げる働きを助ける薬)が飲み薬として登場しました。血糖を下げるだけでなく、体重管理や心臓・腎臓の保護にも効果が期待され、「無理なく続けられる治療」が増えています。
さらに、AI(人工知能)を活用した研究では、心電図や血圧、体重などの健康データから、将来糖尿病を発症するリスクを予測できる可能性が報告されています。こうした技術の進歩により、発症前から生活を見直す「予防重視」の医療が現実味を帯びてきました。
糖尿病は「治す」だけでなく、「自分に合った方法で防ぐ」時代へ。
定期健診を受け、気になることは早めに相談を。毎日の小さな工夫が、未来の健康を守ります。

(2025年11月8日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

有好内科クリニック院長
有好 浩一先生
有好内科クリニック有好院長

■プロフィル

平成6年 山口大学医学部卒業 医学博士 山口大学附属病院病棟院長、併任講師を経て、平成25年有好内科クリニックを開院
日本血液学会専門医・指導医

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