宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

自覚症状はありませんが、健康診断で心房細動と記載されていました。心房細動とはどのような病気ですか?(52歳、男性)

A.

心房細動は不整脈の一種で、「脈拍がばらばらになっている」状態です。心臓には左右の心房と心室という部屋があり、1分間に60~100回程度の収縮と拡張を行い、全身に血液を送り出しています。ところが何らかの要因で1分間に300回以上の電気刺激が心房に起こり、心房だけが細かく動くだけとなるため、「心房細動」と呼ばれています。
一般に高齢者に多いのですが、最近は30~50歳代の働き盛りの方が経験することも珍しくありません。心筋梗塞や弁膜症といった心臓自体の病気だけではなく、高血圧や糖尿病等の生活習慣病、ストレスや自律神経の異常が原因となるからです。
心房細動自体はすぐに命に係わる病気ではありませんが、心臓の元気がなくなる心不全という状態になることがあります。また心房内に血液の滞りができ、血液の塊(血栓)ができ、それが全身に運ばれて血管が詰まることがあります。特に脳が多く、脳梗塞となり半身麻痺等の症状を起こします。心不全や脳梗塞は、死亡や重大な後遺症を残す可能性がありますので、心房細動は早期の治療が必要です。きちんと治療を行っておけば、怖い病気ではありませんので、まずは主治医もしくは近くの循環器内科で相談してみましょう。

(2025年8月23日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

宇部仁心会病院副院長
橋本 弦太先生
宇部仁心会病院橋本先生

■プロフィル

山口大学医学部卒業、日本内科学会総合内科専門医・日本循環器学会専門医
≪所属学会≫日本内科学会・日本循環器学会・日本心血管インターベンション治療学会・日本不整脈心電学会・日本心臓リハビリテーション学会

過去の相談