宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

健康診断で鉄欠乏性貧血と言われました。最近動悸息切れを感じることがあります。貧血とはどんな病気なのでしょうか。

A.

貧血は血液中の赤血球が何らかの原因で少なくなる病気です。赤血球のなかに含まれるヘモグロビンは、全身に酸素を運ぶ重要な役目を担っています。組織への酸素供給量を補うために心拍数が増加し、動悸・息切れ・倦怠感・立ちくらみ・顔面蒼白などの症状が出てきます。原因として①血球を造る骨髄で赤血球の生産が低下している場合(鉄、VB12、葉酸不足、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、白血病など)②赤血球が異常に壊されている場合(溶血性貧血)③体内のどこかで継続的に出血している場合(月経過多、子宮筋腫、消化器がん、潰瘍での消化管出血など)が挙げられます。
鉄欠乏性貧血は日常最も起こりやすい貧血で、貧血の90%以上が鉄欠乏性貧血です。また頻度としては男性の0.5%、女性の12.7%が鉄欠乏性貧血だといわれています。鉄欠乏性貧血の原因は㋑食事からの鉄摂取不足㋺胃や十二指腸切除したための消化管からの鉄吸収障害で供給量が不足した場合㋩妊娠により鉄の需要が増えた場合㊁慢性の消化管出血や月経過多により鉄の喪失量が増えた場合、などがあります。月経のある成人女性の場合には、月経による出血で1日平均2mgの鉄が失われるため、1日20mg以上の鉄を摂取しないと鉄不足になります。
鉄欠乏性貧血はほとんどの場合治療で良くなる病気です。早めの病院受診をお勧めします。

(2023年12月9日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

サンポプラ病院院長
南園 宗子先生
サンポプラ病院南園先生

■プロフィル

平成6年 山口大学医学部卒業 日本腎臓学会専門医 日本透析医学会専門医 日本内科学会認定医 日本医師会認定産業医(所属学会:日本腎臓学会、日本透析学会、日本内科学会、日本糖尿病学会)

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