宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

最近、足が冷たく、歩くとふくらはぎのだるさや痺れを感じます。休むと良くなるのですが、歩ける距離が短くなってきています。このまま様子をみてもよいのでしょうか?

A.

 症状から考えると、足の血管が動脈硬化により狭くなったり、詰まったりして血流が悪くなる閉塞性動脈硬化症という病気の可能性があります。
 閉塞性動脈硬化症は、安静にしていると症状はありませんが、歩いた時にふくらはぎだけでなく、太ももや臀部にしびれや冷たさ、力が入りにくいなどの症状が起こります。ただ数分休むと回復するため、ちょっと調子が悪いかなという程度に思われることもありますし、症状が出ないように自然に歩くことを制限している場合もあります。閉塞性動脈硬化症が悪化すれば、安静にしている時も足が痛くなり、足の傷が治らず足の切断を余儀なくされる場合もあります。
 閉塞性動脈硬化症は、手と足の血圧を測定するだけの簡単な検査で診断がつきます。また、血流が低下しているようであれば、血管エコーや造影CT等の体への負担が少ない検査で足の血管の動脈硬化の状態を把握でき、血流の低下している部位も診断できます。
 血流低下の程度や部位に応じて、色々な治療を選択することが可能です。
 閉塞性動脈硬化症は全身の動脈硬化症の一部でもあり、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管病を合併している可能性もあるため、全身の精査も併せて行う必要があります。
 早期の診断と治療が大切です。様子をみるよりも、ぜひ一度近隣の医療機関に相談されてみてはいかがでしょうか。

(2019年4月24日 サンデーうべ掲載)

宇部仁心会病院副院長
橋本 弦太先生
宇部仁心会病院橋本先生

■プロフィル

山口大学医学部卒業、日本内科学会認定医・日本循環器学会専門医
≪所属学会≫日本内科学会・日本循環器学会・日本心臓病学会・日本心血管インターベンション治療学会

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