宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

朝起きた時に気がついたのですが、下着の前の方に500円玉大の血が付いていてどこから出たのがかわかりませんが、心配です。どうしたらよいですか?(82歳、男性)

A.

 実際に診てみないと判りませんが、前の方なら尿道が外陰部表面からと思われます。直後なら止血のための凝血塊で出血部位が判るかもしれません。年齢的によくあるものに「陰嚢被角(ひかく)血管腫」といわれる、高年男性陰嚢皮膚表面の毛細血管にそって赤黒色の栗~胡麻粒大のぽつぽつと散在する小血管腫があります。血管腫は血管が風船の様に膨らんだ状態なので、すでに血管壁が薄くなっており入浴後で血管が広がっていたり、就寝中に爪で引っ搔いたりすると容易に破裂して出血します。これは加齢による良性のもので、出血点を圧迫止血すれば心配はいりません。他の病気で抗凝固剤を服用していると容易には止血せず、長時間の圧迫が必要です。出血は繰り返すこともあり、また女性の外陰部にもできます。しかし、皮膚癌や尿道からの出血であれば尿道、膀胱、前立腺の癌も考えられますので、止血していても油断せずに皮膚科か泌尿器科で診てもらうことをお勧めします。

(2021年7月24日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

いそやま泌尿器科クリニック院長
磯山 理一郎先生
いそやま泌尿器科クリニック 磯山先生

■プロフィル

昭和56年:熊本大学医学部卒業 山口大学医学部講師(泌尿器科)
平成2~12年:宇部興産中央病院(泌尿器科部長)
医学博士 日本泌尿器科学会専門医 日本透析医学会専門医

過去の相談