宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

不眠で睡眠薬を処方されているのですが、癖になりやすいというのは本当ですか?

A.

睡眠薬の種類によっては依存性があり、癖になりやすいというのは本当です。ただし、すべての睡眠薬が同じようにリスクが高いわけではなく、最近は依存性が低いものも増えています。
以前はベンゾジアゼピン系睡眠薬(ハルシオン、サイレースなど)が一般的でしたが、これらは依存リスクが高いことが知られています。中止時に反跳性不眠が出現したり、長期服用で耐性が出来て効きにくくなることもありました。
その後、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(アモバン、マイスリーなど)が出現し、ベンゾジアゼピン系睡眠薬で見られた依存リスクは低減しましたが、依存が形成されるリスクはゼロではないため、注意は必要でした。
近年オレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ、デビエゴなど)が登場しました。この種類の睡眠薬は依存性や体制などのリスクがほとんどなく、高齢者や長期不眠の人にも処方しやすくなりました。これまでの眠剤と違い、「脳にブレーキをかけて強制的に眠くする」のではなく、「覚醒のスイッチをオフにする」仕組みで、自然に近い眠りを促します。筋弛緩作用を有さないため、ふらつきや転倒などのリスクも低いです。
適切に使えば睡眠薬は有効な治療ツールになります。過度に恐れず、医師に相談しながら、適切な睡眠がとれるように治療を行ってください。

(2025年12月27日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

わたなべクリニック院長
渡邊 俊介先生
わたなべクリニック渡邊先生

■プロフィル

平成19年 山口大学医学部卒業 日本精神神経学会専門医・指導医 日本うつ病学会員 日本児童青年精神医学会員

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