宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

90歳の母親ですが、左のももにしこりがあります。高齢の母は痛みに弱いのですが、痛がる様子はありません。どこの科で診てもらえばいいですか?
(61歳、女性)

A.

頻度的には粉瘤、脂肪腫など皮膚もしくは皮下の腫瘤である可能性が高いので、皮膚科または外科を受診されてみてください。
実際に診察させて頂きました。ウズラの卵ぐらいの大きさで、中央に黒い陥凹(かんおう)があり、コロコロとよく動き、奥のほうとは繋がっていませんが、皮膚が摘まめないので、粉瘤と診断しました。
粉瘤は皮膚と繋がっていて、しこりの中央あたりに黒い開口部がある場合が多く、そこから皮下の袋に続いています。袋の中には悪臭を伴う、おからのようなもの(粥状角質)が溜まっています。
赤くなっている、痛みがあるなど感染の兆候がなく、痛いことが嫌いなようですので経過観察としました。大きくなるようだったり、赤く腫れあがってくるようだったりした場合には対応が必要ですので、変化があれば再診するようにお願いしました。
股部のしこりで、稀に大腿ヘルニア、いわゆる脱腸があります。嵌頓(かんとん)といって、腸がヘルニアの中に入りこみ、元に戻らなくなると、ひどく痛み、腸閉塞となり、緊急手術が必要です。場合によっては、入り込んだ腸が腐ってしまい、腸を切らないといけなくなります。あまり動かないしこりが急にできて、お腹を痛がるようでしたら、外科を受診されてください。

(2025年9月27日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

やまもとクリニック院長
山本 光太郎先生
やまもとクリニック山本先生

■プロフィル

平成元年に山口大学医学部卒業
山口大学医学部消化器・腫瘍外科(第2外科)助手を経て、平成17年10月「やまもとクリニック」開院

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