宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

最近、トイレで排尿した時に、泡が多くなり、なかなか消えません。自覚症状はありませんが病気ではないかと心配で気になります。(62歳、女性)

A.

尿には病気でなく健康体であっても体の老廃物が多く溶け込んでおり、当然尿自体の臭いもあれば色もあります。この体の老廃物を腎臓が尿として順調に体外に排泄できていればこそ、臓器や細胞の活動や体の恒常性が保たれて生命健康が維持されているといえます。一日に体から出る老廃物の量はほぼ一定量で、それを排泄するための必要な水分量もほぼ決まっています。従って尿の水分量によって、尿中の老廃物の濃度は変わってきます。夏などに気温が高くなり、体温を調節するための発汗のほうに体の水分が使われて脱水状態になり、水分量が足りていないと尿に回ってくる水分が少なくなり濃度の高い濃い尿となり粘性が上がり、真水と違って泡が立ちやすく、また尿量が少なく排尿の勢いも悪くなることも影響しているかもしれません。しかし、正常なら尿に混じらないはずの、糖やタンパク、血液成分、細菌感染などで泡が立つ場合もあり、それぞれ糖尿病、腎臓病、尿路のがん、尿路感染症など心配な病気のこともあります。一度検査をされることをお勧めします。

(2025年8月9日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

いそやま泌尿器科クリニック院長
磯山 理一郎先生
いそやま泌尿器科クリニック 磯山先生

■プロフィル

昭和56年:熊本大学医学部卒業 山口大学医学部講師(泌尿器科)
平成2~12年:宇部(旧興産)中央病院(泌尿器科部長)
医学博士 日本泌尿器科学会専門医 日本透析医学会元専門医

過去の相談