宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

会社を退職後、家族からTVを見るときのボリュームが大きく、聞き返しや聞き間違いが多いと言われています。そのまま放置していても大丈夫ですか?(68歳男性)

A.

中等度以上の難聴になっている可能性があります。中等度以上の難聴の方に対しては補聴器装用のメリットが高いことが報告されており、試してみる価値があると思われます。難聴を放置しているとヒアリングフレイル(聞き取る機能の衰え)に至ると言われており、心身の活力の衰えが進み、認知症やうつ状態になるリスクが高まると言われています。通信販売で安価に提供される集音器の使用に関しての質問を受けることがあります。軽度難聴でボリュームを絞って使用する分には大きな問題はないと思われますが、細かい調整ができず最大出力で使用すると、音響外傷による難聴の増悪の可能性もあり、中等度以上の方には積極的にお勧めできません。認定補聴器技能者のもと、適切な調整を行って装用した補聴器の使用ではそのような心配もほぼ無いはずです。
山陽小野田市では8月1日より、中等度難聴者を対象に補聴器購入費助成事業も始まります。いくつかの要件を満たせば65歳以上の方で申請が可能で、補聴器購入費の助成が受けられます。難聴の自覚があったり周囲の方より難聴の指摘があった場合、耳の健康診断と思い、一度耳鼻咽喉科で聴力検査を受けてみてはいかがでしょうか。思わぬ耳の病気が見つかることもあります。

(2025年8月8日 サンデーうべ・ワイド掲載)

田原耳鼻咽喉科医院
田原 哲也先生
田原耳鼻咽喉科医院田原先生

■プロフィル

平成元年/山口大学医学部医学科卒業、平成6年/山口大学大学院医学研究科修了、医学博士/日本耳鼻咽喉科学会認定専門医/日本耳鼻咽喉科学会補聴器相談医

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