宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

痰から少し赤い血がでるのですが(56歳男性)

A.

口から血がでることは時々ありますが、鼻出血や喉などの耳鼻科の病気で、時々嗄声も見られます。歯槽膿漏などの歯科的疾患や、口腔からの出血もあります。胃などの消化管からの出血があれば吐血と呼び、暗赤色をしています。抗凝固剤や鎮痛剤が原因のこともあります。
肺や下気道などの呼吸器からの出血を喀血と呼び鮮紅色をしています。大量の肺からの喀血の場合は窒息、胃などからの大量の吐血は急性の循環血漿量の低下となり危険性が大きく、緊急処置が必要です。
5-600cc以上あれば重症ですが、出血量の測定はむつかしく、患者さんの血圧、脈拍、経皮的酸素分圧、熱などの全身状態が大事と思われます。喀血の原因は気管支拡張による障害、非結核性抗酸菌症、アスペルギルスなどの真菌(かび)症、肺結核などの感染症や肺がん、肺線維症などです。また最近ではコロナ感染すると肺などの器質化障害が強くおこり喀血を起こしやすいと考えられています。
まれに色んな検査をしても、喀血の原因がわからないこともあります。
喀血の疑いがあれば、レントゲン検査やCT検査を受けて原因を調べてもらってください。

(2024年2月2日 サンデーうべ・ワイド掲載)

吉中内科医院院長
吉中 博志先生
吉中内科医院 吉中院長

■プロフィル

金沢大学医学部卒業。山口県立中央病院、山大内科系大学院、宇部興産中央病院などを経て昭和60年に開業。日本臨床内科学会専門医。

過去の相談