宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

同級生が骨折で入院中に骨粗鬆症を指摘され治療を始めたと聞き、自分もそうではないかと心配になりました。検査や薬について教えてください。(62歳、女性)

A.

 骨粗鬆症とは、骨の強度が低下してもろくなり、骨折しやすくなる病気です。骨強度には骨密度が70%、骨質が30%関係しており、骨強度が低下する原因としては、加齢、運動不足が考えられ、女性はエストロゲンの欠乏も重要な要因です。
 検査について骨密度はX線を使って簡単に測定が可能です。X線はデキサ法または簡易法、その他に超音波による骨密度測定もあり、主治医の先生へ相談してください。骨質とは骨の微細構造、骨代謝回転の速さ、微小骨折の有無、石灰化の密度により表されます。
 治療について基本は食事と運動です。カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなど、骨の形成に役立つ栄養素を積極的に摂りましょう。カルシウムとビタミンDを同時に摂ることで、腸管でのカルシウム吸収率がよくなります。カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、紫外線を浴びることで体内でも作られます。適度な日光浴は骨の健康に役立つので、冬であれば30~60分散歩に出かけたり、夏であれば暑さを避けて木陰で30分程度過ごすだけで十分です。骨は負荷がかかるほど骨をつくる細胞が活発になり、強くなる性質があります。散歩を日課にしたり階段の上り下りを取り入れるなど、自分に合った運動を増やしましょう。
 薬には大きく3種類あります。①骨吸収を抑制する薬:骨吸収がゆるやかになると骨形成が追いついて新しい骨が骨の吸収された部位にきちんと埋め込まれ、骨密度の高い骨が出来上がります。②骨の形成を促進する薬 ③その他(カルシウム製剤等)これらの中から患者様に合った投薬を選択します。
 日本は世界でもトップクラスの長寿国ですが、単に長寿というのではなく健康で自立した生活を送れる「健康寿命」を伸ばすことが大切です。健康で活き活きとした人生を送るために骨は私たちの体や日常生活を支える大切な器官です。骨粗鬆症を予防し、骨を健康に保つことは健康寿命を延ばすことに繋がります。骨粗鬆症が気になり始めたら、是非検査治療を受けにいきましょう。

(2019年12月11日 サンデーうべ掲載)

サンポプラ病院院長
南園 宗子先生
サンポプラ病院南園先生

■プロフィル

平成6年 山口大学医学部卒業 日本腎臓学会専門医 日本透析医学会専門医 日本内科学会認定医 日本医師会認定産業医(所属学会:日本腎臓学会、日本透析学会、日本内科学会、日本糖尿病学会)

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