宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

右の下腹部にふくらみがあります。痛みもなく、柔らかく、押さえると引っ込みます。なんでしょうか?この年で脱腸ができるのですか?どこの科で診てもらえばいいですか?(54歳、男性)

A.

お話からは鼠径(ソケイ)ヘルニア、いわゆる脱腸です。50歳代では珍しいですが、お尋ねしたところ重いものをもって作業され、腹圧が過度にかかるため発症したと考えられます。
お腹に力を入れた時にポコッと下腹部に柔らかいふくらみが出てきて、寝たり、押さえたりするとふくらみがなくなります。悪化すると、ふくらみがなくならず、睾丸のほうまでふくらんだままとなります。このふくらみをヘルニアといいます。中には腸が入っている場合が多いです。子供や、腹筋の力が弱くなってきた高齢者によくあるのですが、貴方みたいに重いものを抱えることが多く、お腹に力がかかると、青年の方でも鼠径ヘルニアが出ることがあります。
外科を受診して、診察を受けて下さい。鼠径ヘルニアであれば、手術ができる医療機関に紹介してもらってください。治療は手術です。嵌頓(かんとん)といって、腸がヘルニアの中に入りこみ、元に戻らなくなると、ひどく痛み、腸閉塞となり、緊急手術が必要です。場合によっては、入り込んだ腸が腐ってしまい、腸を切らないといけなくなります。
年齢的に、仕事がお忙しく、なかなか医療機関を受診する暇がないとは思いますが、なるべく早く外科を受診されてください。

(2024年12月14日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

やまもとクリニック院長
山本 光太郎先生
やまもとクリニック山本先生

■プロフィル

平成元年に山口大学医学部卒業
山口大学医学部消化器・腫瘍外科(第2外科)助手を経て、平成17年10月「やまもとクリニック」開院

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