宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

年のためか尿が近くなり、出も少なくなり尿を遠くする薬をもらったのですが、更に近くなり我慢も悪く漏れたりしてやめました。どうしたら良いですか?(72歳、女性)

A.

頻尿と尿意切迫感のみで診断する過活動膀胱は、今回の様な弱点を持つ疾患で、他の膀胱炎・膀胱癌・膀胱結石・婦人科疾患(子宮筋腫・子宮癌・卵巣腫瘍ほか)などの原因でも同じ頻尿や尿意切迫感を生じます。今回の場合は、憶測ですが排尿障害が原因と思われます。年齢と共に排尿力が徐々に低下して排尿しても少ししか出ず、膀胱に残り残尿を生じたために残りの有効に使える膀胱容量が減少して尿が近くなっていたのでしょう。そこに過活動膀胱などの尿を遠くする薬は膀胱の筋肉をゆったりさせ出口の筋肉をしめるので、逆に残尿の量が増えて行き場の無くなった尿が膀胱から溢れ出す溢流性尿失禁となったのでしょう。この状態が続くと腎臓にも負担となり腎臓が腫れる水腎症や腎機能低下をおこします。残尿の有無を超音波エコーなど確認して、排尿力や排尿を改善する薬を試されると良いと思います。専門の泌尿器科を受診されることをお勧めします。

(2024年11月23日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

いそやま泌尿器科クリニック院長
磯山 理一郎先生
いそやま泌尿器科クリニック 磯山先生

■プロフィル

昭和56年:熊本大学医学部卒業 山口大学医学部講師(泌尿器科)
平成2~12年:宇部興産中央病院(泌尿器科部長)
医学博士 日本泌尿器科学会専門医 日本透析医学会専門医

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