宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

50歳の男性です。最近、ニュースでもコロナの感染者数が増加傾向にあるという報道に触れなくなっています。しかし、自身の職場や友人から最近、コロナの感染者数が多くなっていると聞き不安を感じています。

A.

2023年5月に新型コロナ感染症は5類感染症に移行しました。それ以前に比べると、コロナ感染症への意識が随分薄らいでいると感じます。しかし、現実はそうではありません。厚生労働省は7月12日、全国約5000か所の定点医療機関から7月1日~7日の1週間に報告された新型コロナウイルスの感染者数が、1医療機関あたり8.07人だったと発表しました。6.84人だった前週から増え、9週連続で増加しています。新型コロナ感染者数は今のところ九州を中心に増えています。7月12日に政府も全国的にコロナの感染者数が増加傾向にある事を踏まえ、「過去の状況を踏まえると夏の間に一定の感染拡大が生じる可能性がある」と述べ、感染対策に努めるように呼び掛けています。尚、16.31地域別で最も多かったのは、沖縄県で同29.92人。次いで、鹿児島県が同23.13人、熊本県が同18.24人、宮崎県が同19.74人、佐賀県が同16.31人となっています。山口県でも感染者数は右肩上がりで増加しています。現在流行しているのは「KP.3」という変異株が主です。 「KP.3」はワクチンが効きにくく、従来のオミクロン株の中では重症化リスクが高いのが特徴だと言われています。インフルエンザに比べると、かなり感染しやすく肺炎になる人も多いと言われています。気温が上がると、エアコンをつけて部屋を閉め切って過ごす時間が長くなります。又、夏休みに入り、人が多く集まるイベントに参加する機会も増えるでしょう。場面に応じてのマスクの着用、手指消毒、そして定期的に窓を開けて換気するなどの感染対策を心がけた方がよいと思います。

(2024年7月27日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

金沢守クリニック院長
金沢 守先生
金沢守クリニック金沢先生

■プロフィル

平成2年:山口大学医学部卒業
山口大学医学部附属病院、宇部記念病院、阿知須同仁病院などを経て平成23年9月7日「金沢守クリニック」を開業

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