宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

7月某日猛暑のなか庭の草取りをしていたら、めまいと激しい頭痛を生じ、嘔吐を繰り返して病院へ行きました。「熱中症ですよ」と言われ点滴を受けましたが、「脱水症」とどんな違いがあるのですか?(72歳、女性)

A.

 「熱中症」とは高温多湿な環境に長時間居ることで、体温調節ができず体内に熱がこもった状態です。冬の寒い時期にはなく梅雨や夏場に起こり、屋外だけでなく室内でも発症します。「熱中症」は、放っておくと多臓器不全を引き起こし死に至る恐い病気です。軽度なものから重症まで様々な病型がありますが、Ⅰ度(熱失神、熱痙攣)Ⅱ度(熱疲労)Ⅲ度(熱射病)に分かれます。めまい、立ちくらみ、大量発汗、こむらがえりなどの症状があり、意識障害がない(Ⅰ度)なら冷所安静、体表冷却、水分と塩分の経口摂取で様子観察してください。頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力低下(Ⅱ度)を来す場合は病院受診が必要です。さらに意識障害や痙攣発作(Ⅲ度)があれば直ちに救急要請してください。集中治療室での入院治療を要する状態です。
 一方「脱水症」は熱中症の一症状として見られるもので、発熱や重症熱傷、感染症の嘔吐や下痢が原因でも起こるため季節に関係なく注意が必要です。「熱中症」と「脱水症」は初期に似た症状があり、今回も点滴治療を受けておられますので、脱水症もあったと考えられます。
 まだまだ暑い日が続きます。日頃からの健康管理とともに右記症状があれば早めに病院受診をお勧めします。

(2022年8月27日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

サンポプラ病院院長
南園 宗子先生
サンポプラ病院南園先生

■プロフィル

平成6年 山口大学医学部卒業 日本腎臓学会専門医 日本透析医学会専門医 日本内科学会認定医 日本医師会認定産業医(所属学会:日本腎臓学会、日本透析学会、日本内科学会、日本糖尿病学会)

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