宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

以前から心臓と腎臓が悪く定期的に総合病院の循環器科と泌尿器科に通っています。いまは病状が安定していて、心臓のペースメーカーも問題ないと言われていますが、腎臓は悪化すれば人工透析になる可能性があると言われています。そのためこれまでは欠かさず通院していました。しかし最近はコロナウイルス感染症で病院や人混みに行くのが恐ろしくなり、先日の予約は勝手にキャンセルしてしまいました。その一方で「腎臓が悪くなっているのではないか」「ペースメーカーはちゃんと動いているのだろうか」と心配です。やはり怖くても通院したほうが良いのでしょうか?(70歳代、女性)

A.

 新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴って、病院の受信控えが全国的な問題になっているようです。病院でのクラスター発生などの報道がなされると怖い印象を持つ人が増えるのもうなずけます。
 コロナウイルス感染症にかかって体調を崩すのも問題ですが、持病を抱えた人が適切な医療を受けずに病状が悪化して亡くなられる報告もあるようです。実際、私のところへ通院していた患者さんでも通院が途切れたために病状が悪化し、あやうく命を落としかけた人もいました。
 実際、現在すべての病院で感染対策は最大限されており、少なくとも総合病院の外来で感染する可能性は限りなく低いと考えています。質問者の場合は将来の透析治療も視野に入れている様子ですので、最低限の血液検査や尿検査は定期的に受けた方が良いでしょう。また、かかりつけ医が別にある場合はそこで同様の検査をうけ、そこから病院に報告してもらうことも可能です。
 持病がある人は定期的な受診が必要です。特に心臓のペースメーカーを入れている人は専門医による定期的なチェックが必要ですので、通院先に相談をしてください。電池の残量がたっぷりとある場合は数カ月の受診延期が可能な場合がありますが、その判断は管理している循環器専門医にしか出来ません。前回は勝手にキャンセルしたことで連絡しづらいかもしれませんが、大事な健康のことなので気にせず相談し、指示に従ってください。

(2020年11月14日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

波乗りクリニック院長
小早川 節先生
波乗りクリニック小早川先生

■プロフィル

平成10年 山口大学医学部卒業
日本プライマリ・ケア連合学会指導医・総合診療医
同大附属病院総合診療部を経て、平成26年5月 在宅療養支援診療所「波乗りクリニック」開設

過去の相談