宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

20歳、女性。吐き気や下痢、頭痛、めまいの症状で病院を受診すると、熱中症の初期症状といわれ点滴を受けました。熱中症の予防について教えてください。

A.

 熱中症とは、屋内・屋外に関係なく高温、多湿等が原因で体温調節が出来なくなり、体内の水分や塩分バランスが崩れて発症します。風通しが悪く湿度が高い室内でも発症するケースが多く、特に幼児や高齢の方は注意が必要です。熱中症は急激に症状が悪化し、重症化すると命の危険性もあります。

 熱中症の予防は第一に暑さに負けない身体づくりです。①水分と塩分の適切な摂取、これは汗で失われた塩分を補充して身体のバランスを保つためです。水だけを摂るのではなく、スポーツドリンクなど塩分や糖分が含まれた飲料がお勧めです。病気のために制限がある方はかかりつけ医に相談してください。②快適な睡眠をとること。吸水性や通気性の良い寝具を使ったり扇風機やエアコンで室内の温度と湿度を調節し、ぐっすり眠るよう心掛けます。室内温度は日中から同じように調整が必要です。③バランスのとれた食事をすること、ビタミンB1やビタミンC、クエン酸などを意識して偏らないようにします。

 第二に暑さ対策です。④先程触れた室内温度と湿度に気を配り、衣服や寝具を替え、扇風機とエアコンを利用してください。⑤帽子や日傘で直射日光を避け、身体を程良く冷却するよう努めます。首元などを冷やす冷却グッズなどは効果的です。

 今年も多くの熱中症が報告されています。重度熱中症では高率に急性腎不全を併発します。普段の生活でできること、各自でご家族を含めて実践したいものです。

(2016年8月31日 サンデーうべ掲載)

サンポプラ病院院長
南園 宗子先生
サンポプラ病院南園先生

■プロフィル

平成6年 山口大学医学部卒業 日本腎臓学会専門医 日本透析医学会専門医 日本内科学会認定医 日本医師会認定産業医(所属学会:日本腎臓学会、日本透析学会、日本内科学会、日本糖尿病学会)

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