宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

食べ物を飲み込む時に食道に違和感があるため、胃カメラ検査を受けましたが、食道にびっしりと白いカビが見つかり「食道カンジダ症」と診断されました。内服薬にて症状は改善されましたが、原因は何でしょうか。また、予防法や注意点がありましたら教えてください。(35歳男性)

A.

 「食道カンジダ症」や、同様の症状が口腔に怒る「口腔咽頭カンジダ症」の大部分は、カンジダ・アルビカンスによる単独感染または他の菌との混合感染により起こるとされています。食道カンジダ症の症状は、胸骨部の痛み、嚥下困難、嚥下痛、胸やけですが、無症状の場合も多くあります。
 食道カンジダ症は、健康な人は簡単に感染することがなく、抗生剤治療で常在菌のバランスが崩れてしまったり、治療でステロイド剤を長期に使っている場合、また、糖尿病やがんにかかっている患者さん、妊婦さにゃ高齢者の方など、免疫力が低下してしまっている場合に感染してしまう可能性が高いです。食道カンジダ症の再発は、慢性免疫不全の状態が継続している場合のほか、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染による「後天性免疫不全症候群(AIDS)」の患者さんなどでよく起こります。
 大半の食道カンジダ症の患者さんでは、抗真菌薬による治療7日以内に症状がなくなるとされています。食道カンジダの発生を防ぐ生活については、喫煙や飲酒をしないこと、甘いものを控えて、バランスの良い食事をする(たんぱく質や野菜をしっかり食べる)ことが一般的によいとされています。

(2016年12月3日 サンデーワイド掲載)

てらい内科クリニック院長
寺井 佳子先生
てらい内科クリニック寺井先生

■プロフィル

専門:内科一般、消化器科
資格:日本内科学会認定内科医、日本消化器学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医

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