宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

小児のころは毎日必ず排便があり、お腹もいつもすっきりしていました。高校生の時、学校で便を我慢するようになり、ダイエットのため炭水化物の量を少なくしていたら便秘になってしまい、市販の便秘薬がなければ全く便が出なくなり、いつも残便感があったり、お腹が張った状態です。今後どうしたらすっきりと便が出るようになるでしょうか。(40歳女性)

A.

 トイレに行くのを我慢し、排便を意識的に抑制することを繰り返しているうちに便意がなくなっていったり、ダイエットで炭水化物を制限していくうちに、便秘になっていく人が増えています。また、便秘のため、下剤に頼る人が最近増えているようです。便は、水分が大腸で吸収されて硬くなる前に出すことがとても大事です。下剤に頼らずに便を出すには、食生活と排便の習慣が大切です。まず食生活では、一日三食しっかり食事をとることが大事です。また、食物繊維には便を軟らかくしたり、便の量を増やしたりする作用があるため、野菜、果物、きのこ、海藻などを積極的にとる必要がありますが、便の通過が遅いタイプの便秘の場合は、お腹が張ってしまうことがあるため食物繊維のとりすぎに注意が必要です。他に、水分をしっかり摂取することや、善玉菌を増やす食べ物をとって腸内環境を整えることも大切です。食後は十分にリラックス時間をとるように心がけましょう。食後は意識してトイレに行き、学校や会社などで便意を催した場合はすぐにトイレに行くようにします。姿勢も大事で、ロダンの考える人のポーズを意識して、前かがみになるのがポイントです。腹筋を鍛えたり、体をよく動かすことも大切です。
 便秘対策に取り組んでも改善しない場合は、医療機関では、慢性便秘症に対し、残便感のない自然排便を促す新薬が発売されていますので相談されることをお勧めします。

(2018年5月5日 サンデーワイド掲載)

てらい内科クリニック院長
寺井 佳子先生
てらい内科クリニック寺井先生

■プロフィル

専門:内科一般、消化器科
資格:日本内科学会認定内科医、日本消化器学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医

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