宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

3か月前に嘔吐、下痢、発熱があり、病院に受診し、急性感染性腸炎と診断され、整腸剤の投薬治療を受けました。腸炎は改善しましたが、その後も、急に下痢をしたり便秘になったり、腹痛を認めたり、便通異常がおこっています。どうしたら改善するでしょうか。(36才男性)

A.

 急性感染性胃腸炎にかかって腸炎が回復した後も腹痛や下痢などの症状が続くといった病態も知られるようになり、感染後過敏性腸症候群といわれています。腸炎後一年以内の発症率は10.1%、感染後過敏性腸症候群のリスクは4.2倍と報告されています。細菌感染後で13.8%、ウィルス感染後で6.4%といわれています。一般の過敏性腸症候群の病型は、便秘型、下痢型、混合型に分類されます。過敏性腸症候群は大腸や小腸に器質的な異常がないにもかかわらず、腹痛などの腹部症状と、下痢や便秘などの便通異常を認める症候群です。最近のインターネットの調査では、日本人の13%くらいに認められていると報告されています。20~40歳代に多く、女性では便秘型、男性では下痢型が多く、心理的ストレスなどが加わると症状が発現することがあります。感染後過敏性腸症候群の病型は、混合型、その次に下痢型が多くなっています。症状が軽度で日常生活に影響がない場合はまず生活習慣や食生活の改善が必要となります。症状が強く、改善されない場合は、消化管運動機能を改善する薬を導入するため、我慢をせずに医療機関の受診をおすすめします。

(2019年4月5日 サンデーワイド掲載)

てらい内科クリニック院長
寺井 佳子先生
てらい内科クリニック寺井先生

■プロフィル

専門:内科一般、消化器科
資格:日本内科学会認定内科医、日本消化器学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医

過去の相談