宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

大腸がん検診で初めて便潜血陽性を指摘され、要精査の結果でした。精密検査として大腸カメラを勧められていますが、これまで受けた事が無く不安です。特に症状も無いため、このまま様子を見ても良いでしょうか。(50歳女性)

A.

 便潜血検査は大腸がんやポリープなどによる出血を調べる検査で、目に見えないわずかな出血を検出する事が可能です。便潜血陽性となった場合、精密検査を受ける事で大腸がんによる死亡率が低下することが証明されています。精密検査としては通常大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を行います。大腸カメラに対しては苦しいというイメージを持たれている方も少なくありませんが、内視鏡機器の改良や検査手技の発展に伴い、苦痛を訴えられる患者さんは昔より少なくなっているようです。また最近では麻酔(鎮痛剤)を使用して眠ったまま検査が可能な施設も増えています。
 大腸がんは日本人のがん死亡の第2位(女性では第1位)であり、誰にでも発症する可能性がある疾患です。根治可能な大腸がんは基本的には無症状であり、早期発見には適切なタイミングでの内視鏡検査が不可欠です。比較的小さな病変であれば、発見時にその場で切除して治療する事も可能です。また、仮に大腸がんを発症している場合でも、必ず便潜血が陽性になるとは限りません。次回の便潜血検査で陰性となってしまい、早期発見の機会を逃してしまう事も考えられます。是非積極的に大腸カメラによる精密検査を受ける事をお勧めします。

(2021年9月3日 サンデーうべ・ワイド掲載)

西村内科医院
西村 純一先生

■プロフィル

平成20年/川崎医科大学医学部医学科卒業
平成27年/山口大学大学院医学系研究科修了 医学博士
日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会専門医

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