宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

この頃、たびたび膀胱炎になり、病院へ行くのも面倒なので、市販の薬ですませようとするのですが、なかなか治りません。どうしたら治りますか? (67歳、女性)

A.

 膀胱炎とは、膀胱の粘膜に炎症を起こしている状態を言い、残尿感、排尿時痛、頻尿ときに血尿が主な症状です。ほとんどが大腸菌などの腸内細菌による急性細菌性膀胱炎です。女性は尿道が短く尿道口が膣や肛門へ近いために細菌が尿の出口から侵入しやすく、膀胱炎になり易いです。治療はその細菌を抗菌剤(抗生物質)で殺菌することですが、抗菌剤は市販されておらず、医師の処方が必要です。一般に市販の薬は、症状のみを軽くする薬と思われ、細菌自体は死んでないので治ったことにはなりません。症状が一時的に軽くなっても、むしろ病状は悪化してきて腎盂腎炎にまでなります。細菌は何種類もあり、薬の効きにくい耐性菌もあります。尿から原因の細菌を調べて(尿細菌培養)、効く薬を選んで(薬剤感受性)、十分な期間的確に治療することが大事です。年齢とともに細菌も侵入しやすくなります。急がば回れで、早めに専門の泌尿器科で診療を受ける事をお勧め致します。

(2016年9月14日 サンデーうべ掲載)

いそやま泌尿器科クリニック院長
磯山 理一郎先生
いそやま泌尿器科クリニック 磯山先生

■プロフィル

昭和56年:熊本大学医学部卒業 山口大学医学部講師(泌尿器科)
平成2~12年:宇部興産中央病院(泌尿器科部長)
医学博士 日本泌尿器科学会専門医 日本透析医学会専門医

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