宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

息を吸った時や歩いている時、咳が出た時などに左胸が痛みます。何か悪い病気ですか?(40歳女性)

A.

 「胸」には心臓、肺、肋骨、筋肉、神経など様々な臓器や組織が存在していますので、「胸痛」の原因というのは多種多様にわたります。重要な事は、胸痛には命に関わる病気が潜んでいる可能性がある事です。具体的には心臓病などの循環器疾患、肺の病気などの呼吸器疾患が代表的です。胸を強く打ったなどの原因があるなら整形外科や外科、明らかに痛みのある部位が赤くなっていれば帯状疱疹がありえますので皮膚科が専門ですが、そうでなければまずは循環器内科や呼吸器内科を受診して下さい。その中でもご質問頂いた方の胸の痛み方は、呼吸器疾患が原因と推察します。緊急を要する原因としては肺に穴が開いてしぼんでしまう気胸、最近が肺の外に及んで水や膿の塊を作る胸膜炎や膿胸(熱を伴う事が多いです)などがあります。よくある病気では気管支喘息の方が稀に胸痛のみで受診される事もあります。COPDなどのタバコ病や気管支拡張症などで普段から咳の多いかたは、咳が原因で肋骨骨折をしてしまう方もおられます。「胸痛」でお困りの方は早めに医療機関を受診される事をお勧めします。

(2016年11月5日 サンデーワイド掲載)

いとうクリニック院長
伊藤 光佑先生

■プロフィル

平成18年久留米大学医学部医学科卒。
専門/内科一般、呼吸器内科、日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医、日本内科学会認定内科

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