宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

最近、夜間に尿がしたくなり2~3度トイレに起きる様になりました。痛みなどはありませんが、どうしたものでしょうか?(76歳、女性)

A.

 就寝中に排尿のため2回以上起きれば夜間頻尿といえます。男性の前立腺肥大症はよく知られていますが、女性にも起きる症状です。高齢者に多く、原因は歩行や動く事が減り、心臓も弱くなり、重力の為に下肢に水分が貯まってきて、夜に横になるとその水分が血管内に戻ってきて尿になります。
 その上、年齢とともに脳下垂体からの尿量を減らすホルモン(ADH)も夜間分泌量が減り、膀胱自体も尿を蓄える力が衰えてくるからです。心筋梗塞・脳梗塞や夏場の熱中症の予防にと、睡眠前に水分を摂り過ぎても多尿になり、やはり夜間頻尿になります。
 1日の尿量は1.0~1.5リットルもあれば十分ですから、水分は主に日中に一口ずつ間隔を開けて頻回に、体が必要とする分量だけ摂れば良いです。夜間頻尿の人は死亡率が高くなるという報告もあり、また睡眠時無呼吸や心臓、膀胱の病気が夜間頻尿の原因のこともあります。原因はいろいろありますので、一度、受診されることをお勧め致します。

(2016年11月23日 サンデーうべ掲載)

いそやま泌尿器科クリニック院長
磯山 理一郎先生
いそやま泌尿器科クリニック 磯山先生

■プロフィル

昭和56年:熊本大学医学部卒業 山口大学医学部講師(泌尿器科)
平成2~12年:宇部興産中央病院(泌尿器科部長)
医学博士 日本泌尿器科学会専門医 日本透析医学会専門医

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