宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

健診のエコー検査で、「副腎腫瘍」が疑われ、再検・精査を指示されました。症状は無いのですが、どんな病気でどうしたらよいでしょうか? (52歳、男性)

A.

 副腎は腎臓の上に左右一対ある3~4cmの臓器で、3層構造になっていて、各層から生命の維持に不可欠なホルモンを産生しています。その細胞が増殖して腫瘤となったものを「副腎腫瘍」と言います。各層でそれぞれホルモンが異なり、産生過多となる「機能性腫瘍」の代表的な病名(ホルモン)は、クッシング症候群(コルチゾル)、原発性アルドステロン症(アルドステロン)、褐色脂肪腫(カテコラミン)などで、それぞれのホルモンにより高血圧や糖尿病などさまざまな症状を起こします。このような「機能性腫瘍」は良性でも手術が行われます。症状がないホルモン産生のない「非機能性腫瘍」は、大きさが3cm未満であれば経過のみ観察しますが、3cmを超えてくると「癌」の可能性が出てきますので、やはり手術を行います。最近は、内視鏡手術が行われるので、傷も小さく入院期間も短くて済みます。副腎は腎臓と同じく後腹膜腔にあり専門である泌尿器科へ受診されることをお勧めします。

(2017年9月27日 サンデーうべ掲載)

いそやま泌尿器科クリニック院長
磯山 理一郎先生
いそやま泌尿器科クリニック 磯山先生

■プロフィル

昭和56年:熊本大学医学部卒業 山口大学医学部講師(泌尿器科)
平成2~12年:宇部興産中央病院(泌尿器科部長)
医学博士 日本泌尿器科学会専門医 日本透析医学会専門医

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