宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

数ヶ月前から長く歩くと右のふくらはぎが痛くなり、立ち止まらなくてはならなくなりました。少し休めば痛くなくなり、また歩けるようになります。疲れかと思い様子を見ていましたがよくなりません。(70歳男性)

A.

 症状より下肢閉塞動脈硬化症の可能性を考えます。足の動脈が動脈硬化のために狭くなったりつまったりしているために、足の筋肉への酸素や栄養が十分でなく痛みが出る病気です。同じような症状がでる病気に腰部脊柱管狭窄症がありますが、ABI(上腕と足首の血圧の比)を測定することで区別できます。
 下肢閉塞動脈硬化症は進行すると安静時にも痛みが出るようになり、さらには足先に治りにくい傷(潰瘍)ができたり、最悪足の切断を要するに至ることがあります。治療は重症度や血流の悪くなっている部位により、運動療法、内服薬、カテーテル治療、外科治療を組み合わせます。動脈硬化は全身に起こりえるので、下肢閉塞動脈硬化症のある方は他の臓器にも動脈硬化をきたしていることがあります。したがって最も大切なことは喫煙、高血圧、高血糖、脂質代謝異常などの動脈硬化の危険因子を是正し、心筋梗塞や脳梗塞を予防することです。
 気になる症状のある方は病院を受診し、血管の検査をされることをお勧めします。

(2018年3月3日 サンデーワイド掲載)

あさひクリニック院長
大塚 祥司先生
あさひクリニック大塚先生

■プロフィル

これまで九州大学病院、国立福岡東医療センター、済生会八幡総合病院、JR九州病院循環器内科などで勤務

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