宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

約10年前から職場の健康診断のたびに高血圧を指摘され、今回は「要治療」と言われました。近くの内科で血圧を下げる薬をもらいましたが、一度薬を飲み始めると一生飲み続けなくてはならなくなると聞いたことがあり、飲み始めることをためらっています。高血圧が体に悪いのはわかっているのですが、その一方で、薬を一生飲み続けるのは怖い気もします。やはり飲んだほうが良いのでしょうか?(40歳代、男性)

A.

 自覚症状に関係のない服薬を続けるのは難しく、途切れなく一生飲み続けるのは難しいと感じる人もいます。また、副作用を恐れて服用を避ける人が多いのも事実です。
 相談者の方は40代の男性ですが、この年代で脳卒中や心不全など、高血圧との関連がある病気で救急搬送される人もいますが、その多くは、発症前に高血圧やそのほかの生活習慣病を指摘されているにもかかわらず、自己判断で放置されている方々です。
 そもそも高血圧の治療というのは自覚症状を改善させるものではなく、合併症を防いで「健康寿命」を伸ばすことが目的です。
 人生100年時代になったと言われますが、これから数十年にわたって、一生のあいだ薬を飲み続けるのは気が重いことですが、早めに治療をしないとその「一生そのもの」が短くなってしまう可能性があります。
 また、内服治療をしながら体重減量や食事の改善(減塩)に努めるうちに、薬がなくても血圧が低めで安定してくる人もいます。こういった場合、内服を中止できるケースも少なくありません。
 少なくとも主治医はあなたにとって悪いことは提案しません。自己判断で休薬や断薬をするのではなく、薬に不安があるときは主治医としっかり相談し、しかるべき薬を飲みながら減薬することを目標にすると良いでしょう。

(2019年4月10日 サンデーうべ掲載)

波乗りクリニック院長
小早川 節先生
波乗りクリニック小早川先生

■プロフィル

平成10年 山口大学医学部卒業
日本プライマリ・ケア連合学会指導医・総合診療医
同大附属病院総合診療部を経て、平成26年5月 在宅療養支援診療所「波乗りクリニック」開設

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